なんとなく、CDレビュー

ずぶの音楽素人が勉強のために好きなCDのレビューを書いていきます。音楽的知見薄めのなんとなく、CDレビューです。

#3 Lisbonne「TRISTE TWIST」

『危険すぎるほど甘くロリータなフレンチ・キューティ・シンセ・ポップ究極の1枚!!』

『超オススメです。ElefantからのIko Cherie名義でも知られるフレンチ女性アーティストMarie MerletがLisbonneとして放つ鬼最高7インチ!!』

『Laetitia SadierのMonadeのメンバーで、ElefantからのIko Cherie名義の作品でも人気を集める、仏ボルドー出身の女性アーティスト、Marie Merlet。以前も7"を出していたLisbonne名義で、N.Y.の要注目レーベルChoi Divisionから素晴らしすぎるシングルをリリース!!ヴィンテージ・ドラム・マシンとカシオトーン、アコギを駆使したベッドルーム・ロリータ・ポップで危険な香りしかしません。Coletteのコンピが初出というドリーミー・ラテン・ツイストA面、「アニーとボンボン」ばりの犯罪度を感じさせる鬼ロリータ・ポップB面のミラクル・カップリング!!』

 JET SET ONLINEに書かれていたこのアルバムの紹介文です。9割方知らない単語で、Iko CherieもMarie MerletもN.Y.の要注目レーベルChoi Divisionも誰やねん状態ですが、熱量がすごい伝わってきます。

 それでは、今回のレビューするのはLisbonneの「TRISTE TWIST」です。


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 このアーティスト、アルバムに関する情報が異様に少ないので、いつものようなアーティストの紹介文を書くことが出来ません(というより冒頭のJET SETの紹介文がすべてです)。なので、ただただ曲の感想を書きます。

 このアルバム「TRISTE TWIST」は7インチレコードで、A面には「TRISTE TWIST」、AA面には「KARAMEL KUSS」が収録されています(発売は2019年と意外に最近です!)。今回の話はA面TRISTE TWISTについてです。

 この曲にはApple Musicの無作為なおススメで出会い、こんな系統は聴いたことがなかったので初めは何かよくわかりませんでした。ただ、再生を重ねるごとに、静かな甘い始まりからどんどん幻に包まれていくような感じ。脳がふにゃふにゃにされていくような感覚にハマっていきました。

 まさにJET SETで書かれていた「ベッドルーム・ロリータ・ポップ」という言葉がしっくり来ます。ベッドルームポップとしてよく引き合いに出されるMen I TrustやClairoよりも幼稚さや可愛さなど強めの糖分を感じますね。

 ドラムマシーンの不思議なリズムに甘いフランス語?が乗っかってふわふわとした気持ちになったところに、カシオトーンのもやがかかったような音が加わって、夢の中にいるような感覚になり、とても気持ちいいです(脳内で幸福ホルモンがドバドバ出でいる感じがします)。この終盤の気持ちよさは、サウナで外気浴をして整えにかかっている感じと似ている気がします。

 朝、会社に行きたくない私は、行きの地下鉄でこの曲を聴いて、一旦脳を溶かしてから出勤していました。その結果、2021年のAppleMusicでは再生回数1位となってしまいます。。。(フィジカルもJET SETで買いました)

 前回の坂本慎太郎「君はそう決めた」もそうでしたが、ふわふわした気持ちのいいリズムの曲が好きなんだと思います。そんな曲をよく聴いてるので、AppleMusicのアルゴリズムによっておススメにあがってきたのでしょう。日常のルートでは絶対出会えないような音楽と出会えるサブスク環境と、欲しいLPが簡単に手に入るネット通販環境のある現代に感謝です。

 

 それでは、#3はこれで終わりです。

 次回は、Illianの「Love Me Crazy」をレビューします!

 

Triste Twist

Triste Twist

  • Lisbonne
  • ワールド
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

Karamel Kuss

Karamel Kuss

  • Lisbonne
  • ワールド
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

#2 坂本慎太郎「幻とのつきあい方」

 今回のレビューは、坂本慎太郎の「幻とのつきあい方」です。ゆらゆら帝国のボーカル、ギターを務めていた坂本慎太郎が、ゆらゆら帝国解散後に発表した1枚目のアルバムです。アルバム全体を通して、聴きながら小躍りしたくなるような、いつの間にかスキップをしているような、ファニーでキッチュな雰囲気に包まれています。

 

 私が坂本慎太郎と出会った曲は、ソロになって1枚目のシングル「まともがわからない」です。2013年にテレビ東京で放送されていた「まほろ駅前番外地」のEDに使われており、それを聴いた大学生の私は見事にハマってしまいました。軽妙な音楽の中に使われるトランペットの音がとても気持ちいい。

 ゆらゆら帝国自体はその前から知っていたのですが、初期の激しいガレージロックのイメージが強くそこまで聴いていませんでした。このまともがわからないをきっかけに、坂本慎太郎ゆらゆら帝国を聴き始めます。個人的には、ゆらゆら帝国初期より後期、後期よりソロ期と、時を経ていくにつれて好きですね。

 

 さて、幻とのつきあい方についてですが、「幽霊の気分で」、「傷とともに踊る」といった名曲もありますが、個人的なベストは「君はそう決めた」です。

 ゆらゆら帝国の「おはようまだやろう」と双璧をなす、個人的オールタイムベストのひとつです。静かな始まりから、曲が進んでいくにつれて盛り上がっていくトランペットの音色。コンガ?の音と相まって非常に芳醇なグルーヴとなっています(この表現がが合っているかはわかりませんが)。

 歌詞は平易な言葉で構成されていますが、聴いていてリズムが気持ちがいい。まるで、歌声もひとつの楽器のような感じがします。

 この曲のMVはYouTubeに上がっています。坂本慎太郎が描いたアニメーションと曲のリズムが気持ちよくリンクしています。MV中にはリズムに合わせて踊る(変な?)人間が描かれていますが、思わず一緒にそのダンスを踊ってしまいそうになります。


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 この曲の良さを語れるほどの音楽的な言葉を持ち合わせていませんが、とにかく「聴いてて気持ちがいい」ということに尽きます。聴くたびに脳にドーパミンが出てきて、何も考えずに気持ちがふわ~っと浮いてくるような感覚になります。死ぬまで飽きずに何度も聴くんだろうなと思います。

 

 それでは、#2はこれで終わりです。

 次回は、Lisbonneの「Triste Twist」をレビューします!

 

幽霊の気分で

幽霊の気分で

  • provided courtesy of iTunes
傷とともに踊る

傷とともに踊る

  • provided courtesy of iTunes
君はそう決めた

君はそう決めた

  • provided courtesy of iTunes

 

#1 Men I Trust 「Oncle Jazz」

 今回のレビューは、カナダのアーティストMen I Trustの「Oncle Jazz」です。

 

 直訳すれば「ジャズおじさん」という不思議なタイトルのこのアルバムは、2019年にリリースされたMen I Trustの3枚目のアルバムです。また、現在のボーカル・ギターであるエマが加入してからは、最初のフルアルバムとなります。

 

 元々、Men I Trustは、高校の友人であるジェシー(ベース)とドラゴス(キーボード)の2人で結成し、2枚目のアルバム「Headroom」までは各曲にゲストボーカルを迎えるスタイルでした。その後、2016年にゲストボーカルで参加していたエマが正式に加入し、今の3人体制となりました。

 

 Men I TrustのYouTubeでは、彼らの音楽制作現場をまとめた動画もあり、その内容はとても素敵なものとなっています(Men I Trustは全楽曲もYouTubeにアップしていますので是非ご覧ください)。

youtu.be

 

 雪深いカナダ、ケベック州モントリオールで1階は生活スペース、2階が作業場の一軒家で暮らし、パートタイムで働きながら、レーベルに所属することなく音楽を制作する。自然豊かな環境の中、自分たちの作りたいものを作る生活...個人的にとても憧れます...!

 

 さて、Oncle Jazzについてですが、24曲も収録されており、1時間超の大作となっています。エマ加入後にシングルカットされた曲も再収録されています。

 個人的にMen I Trustの静謐なメロディは、初めて聴くのにすっと身体に馴染み、まるで自分の体温と同じ温かさを持っているように感じます。それなのに、不気味なフレーズも織り交ぜてくるのでクセになるのが特徴です。

 

 1曲目の「Oncle Jazz」、短い楽曲ですがキュートでメロウなメロディが流れてきて期待したところに、2曲目の「Norton Commander」。不気味です。笑 ですが、この不気味でダークなメロディにもエマのウィスパーボイスがとても合います。

 その中でも、特に自分のお気に入りは「Norton Commander」、「All Night」、「Pines」です(末尾に楽曲を添付します)。しばしばMen I Trustの説明で使われるドリームポップの要素が詰まっている3曲だと思います。何も考えずに、頭がぼやーっとなるような。

 自分の体温に馴染み、かつ不気味なフレーズを何度も聞きたくなる。そういった楽曲が本当に多いアルバムです。日本のアーティストで言えばogre you assholeに似た雰囲気を感じます。

 

 Men I Trustは、アルバムをアナログ媒体で聴くことを推奨しており、彼らのBandcampではCDだけでなくLP、カセットテープも販売されています。

 そのLP、カセットテープも購入したのですが、LPは盤面が透明だったり、カセットテープは真っ白だったりと、モノとしての完成度がすごく高くて驚きます。

 サブスクリプションサービスで音楽を聴くことが当たり前となっていますが、個人的には本当に好きなアルバムはフィジカルで所有すべきだと思っています。Men I Trustはフィジカルの完成度が高く、その考えを肯定してくれているようで嬉しくなります。

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 散文的に書いてきましたが、Men I Trustは楽曲だけでなく、ライフスタイル、フィジカルのデザイン等すべてが個人的なツボにはまり、今後もその情報を追いかけていくことでしょう。


 それでは#1はこれで終わりです。

 次回は、坂本慎太郎「幻とのつきあい方」をレビューします!

 

Norton Commander (Album V)

Norton Commander (Album V)

  • Men I Trust
  • ポップ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
All Night

All Night

  • Men I Trust
  • ポップ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
Pines

Pines

  • Men I Trust
  • ポップ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

無題

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  音楽経験なしのずぶの素人ですが、自分の好きな音楽をより深く理解するために、好きな音楽を誰かに説明できるレビューを作成していきます。

 

  レビューの作成は、1か月に1枚のペースを目標とします。

 

  記念すべき初回は、カナダのアーティスト Men I Trust の「Oncle Jazz」です。

 

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